ゲーミングPCを語る上で外せないのがGPU(グラフィックボード・ビデオカード)です。
パソコンの性能は様々なパーツのトータルスペックで決まりますが、特にゲーミングPCの場合最も重要とも言えるのがこのGPUです。
でもGPUについて、名前は知ってるけどいまいちどんなものなのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか?
そこで今回はそんなGPU=グラフィックボードについて、どんなものなのか、その役割や性能の見方、そして選ぶ際のポイントについて初心者の方に向けてまとめてみたいと思います♪
GPUとは映像の処理を専門にするパーツのこと
GPUとは一言で言えば、”映像関連の処理を専門にするパーツ(チップ)”のことです。
私達が使っているパソコンにはCPUやHDDなど、たくさんのパーツが搭載されています。
以下の記事でCPUとはコンピュータの頭脳のことであると説明しましたが、
-
-
CPUとは何?どんな役割?【パソコン初心者向けガイド】
”CPU”という言葉、パソコンやスマホに触れたことがある人であれば一度は聞いたことがあるのではないでしょうか? でもCPUとは何なのか、どういった役割があるのかよくわかっていない人も多いハズ。 そこで ...
続きを見る
CPUがPC全体の機能を統括するパーツだとすると、GPUは画面に出力する映像・画像関連の処理(計算)を担当する専門パーツとなります。
なので例えばゲームをしているとき画面に表示されているグラフィックスは、GPUが計算して出力した結果というわけです。
ここで感のいい人は「GPUなんか無くたって映像の処理もCPUだけで出来るのでは?」と思うかもしれません。
だってゲームの表示は計算の結果なわけなので、コンピュータの頭脳であるCPUでも出来るはずですよね。
ではどうしてGPUが必要なのでしょうか?
GPUが必要なのは映像の処理が大変だから
GPUが必要になるのは、映像や画像の計算処理がパソコンにとってもの凄く負担のかかるものだからです。
もしGPUが搭載されていない場合、前述したようにこれらの計算は基本的にCPUが行います。
(最近のパソコンはCPUやマザーボードにある程度の性能のグラフィックチップがオンボード=初めから搭載されているものが増えていますが)
この処理が例えばリアルタイムで計算する必要のない動画や画像だったり、ゲームでもオセロや将棋、2Dの簡単なものであれば計算は簡単なのでGPUが無くても全く問題はありません。
実際に試してみればわかりますが、GPUが搭載されていないメーカー性能PCでもこれらは普通に利用できます。
ただ、3Dのゲーム・・・特に最近のものは映像が綺麗なものが多いですが、こういったタイトルを遊ぶ場合はGPUが無いとまず動きません。
縦横2次元の2Dと違って3Dの場合は奥行きが加わった3次元です。
三次元の場合には計算が膨大になり、それをリアルタイムで行って画面に映し出さなければならないので、瞬間的に物凄い量の計算を解かなければなりません。
ゲームに限らず映像の作成やエンコードなども同じく膨大な計算が必要になります。
これらをCPUだけで行おうとすると、OSを含めてPC全体の動作を統括しているCPUは計算が追いつかなくなりパンクしてしまいます。
すると処理できる限界を超えてフリーズしてしまったり、発熱でPCがシャットダウンしてしまったりするわけです。
そこで登場するのがGPU。
映像関連の処理に特化したGPUは3Dゲームなどの計算が得意なだけでなく、CPUのように様々な部分で計算をする必要が無いので、全ての力を映像の処理のみに回すことが出来ます。
CPUもその分負担が減るので、パソコンが全体的に効率よく動くようになり一石二鳥!
またGPUじゃないと出来ない処理もあり、そういった意味でもGPUが必要となります。
(逆にCPUじゃないと出来ない処理もあるので、CPUの性能も重要です)
なので高スペックなGPUを搭載したゲーミングPCでは最新の美麗なCCのゲームも遊べるようになるというわけなんですね♪
GPUの性能の単位はヘルツ
では次に、GPUの単位や性能の見方について説明しますね。
GPUの単位はCPUと同じく"Hz(ヘルツ)"が使われます。これはCPUと同じくチップという処理装置(集積回路)でありクロック周波数で性能を表しているためです。
CPUの記事でも説明していますが、電気を動力としているコンピュータでは基本的に0と1の組み合わせの計算で結果を出力しています。
なので”どれだけ早く計算ができるか”という意味でこのヘルツは数字が大きいほど「早い」、小さいほど「遅い」と言います。
ちなみに1MHz=1メガヘルツは1秒間に1万回ON・OFFの動作が出来るということになります。
またGPUはチップだけのパーツではなく、それ単体にメモリやヒートシンクやファンなど様々な部品が組み合わせられて出来たパーツとなっています。
(なのでグラフィックボードやビデオカードと呼ばれているんですね)
よって他にもメモリの容量や速度だったり、ヒートシンクの構造やファンの大きさ・数など様々な部分がありますが、今回は初心者向けということで細かい部分は省略しておきます。
重要なのはチップの種類とクロック、メモリ容量
さて、そんなGPUですが、パーツを選ぶ際に重要なのはチップの種類、ブーストクロック(周波数)、メモリ容量の3つです。
優先順位としてはチップの種類>メモリ容量>ブーストクロックでしょうか。
まずチップの種類。これが一番重要です。
このチップの種類によってグラフィックボードの性能がほぼ決まると言えるでしょう。
最新のモデルだとnVidiaではGTX100/RTX2000シリーズ、AMDではRX Vegaや400/500シリーズが販売されています。
基本的にはこのアルファベットの後ろの数字が大きいほど性能の高いモデルになるわけですが、1つ上のモデルに行くだけで性能が大幅に向上します。
後述するメモリ容量やクロック数以上にわかりやすい差が生まれるのがこのチップの種類です。
ゲームによってはチップが違うだけでそもそも動作しないという状況にもなるので、それくらいこのチップの種類は重要なんです。
残りの2つは同じくらいの重要度ですが、私としてはメモリの容量を2位にしました。
なぜなら、グラフィックボードのモデルによって同じチップ・クロックでもメモリの容量に差があるものがあるからです。
例えばGTX1060のチップを積んだカードの場合。
他のグラフィックボードではチップを選んだ時点で搭載されるメモリ容量もほぼ決まっているのですが、このGTX1060に関しては最初から3GBと6GBの2モデルで販売されています。
もとのチップが同じなので基本的にはそこまで大きな性能の差はありませんが、ビデオメモリの容量を大量に消費するゲームでは3GBだと足りなくてプレイできないというものも出てきます。
そうなるとチップの性能的には問題ないのにゲームが起動しない・途中で落ちるという状況になってしまうので、もしGTX1060のように複数のメモリ容量があるモデルを選ぶ場合はその容量に注意しておいたほうが良いでしょう。
そして最後がクロック周波数。
こちらも基本的にはチップを選んだ時点で決まっているのですが、グラフィックボードは多数のメーカーがそれぞれ独自のパーツを付けたりチューニングしたモデルを販売しています。
このときにOC(オーバークロック)モデルが販売されるのですが、オーバークロックモデルはその名の通りクロック周波数を上げて性能を向上させたモデルとなっています。
体感的にはそこまで極端にわかるものではないと思いますが、ベンチマークなどでより良いスコアを出したり、たまにフレームレートが落ちるゲームをより安定した動作でプレイしたいという人はこういったOCモデルを購入するのが良いでしょう。
グラフィックボードを選ぶ際はこの3つを重視して選ぶのがポイントです。
GPUについてのまとめ
ということで今回はGPUとはなんなのか、どんな役割があるのか、そして性能の見方やグラフィックボードを選ぶ際のポイントについて、主に初心者の方に向けて解説してみました。
ここで改めて今回の記事で紹介したGPUの内容についてまとめてみましょう。
GPUについてのまとめ
- GPUとは映像専門の処理をするチップのこと
- GPUが必要なのは映像の処理が大変だから
- GPUの性能の単位はHz(ヘルツ)
- GPU(グラフィックボード)は複数の部品から出来ているパーツ
- グラフィックボードはチップ、メモリ容量、クロックで選ぶのがコツ
今回の記事をまとめるとこのようになりました。
GPUはゲーミングPCを語る上で欠かせない、最も重要なパーツの一つです。
どんなゲームが遊べるのかは基本的にこのグラフィックボードで決まると言っても過言ではありません。
安いものは1万円ほどから高いものは20万円近くのものまでピンキリなパーツではありますが、単純に購入しやすいという理由だけで安いモデルを購入してしまうと、遊びたかったゲームが遊べないという事態になる可能性があります。
逆に大は小を兼ねると高いモデルを買っても、遊ぶゲームがそんなにスペックのいらないものであればその性能は宝の持ち腐れになってしまいます。
そのようなことにならない為にも気になるゲームの動作環境はきちんと確認し、それに対応したバランスの良いモデルを選ぶのが大切。
またせっかく選んで良いグラフィックボードを買っても、マザーボードやケースが対応していなかったり相性の問題で正常に動作しなかったりということもあるので、特に初心者の方はサイコムやフロンティアなど、初めからプロが作ってくれたBTOパソコンを購入するのがおすすめです。